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序章


コリをほぐせば体調は改善する!!

何故、痛みや痺れがなかなか改善しないのか?



世の中には病院などに行って、レントゲンやMRIなどの画像検査をしたり、血液検査などをしても異常なしと言われたり、
たとえ診断されてもいっこうに改善しないと訴える患者さんが多くいます。


こういう患者さんは一時的に痛み止めを服用したり、電気治療などで痛みを緩和したりして、長期間ダラダラと治らず
に苦しみ続けます。

それどころか、薬の長期服用により副作用にも悩まされることにもなるのです。。


これは何故なのでしょうか?
これにはしっかりとした理由があるのです。


結論を先に言ってしまいますが、原因は全て筋肉のコリなのです。


筋肉が固くなっている状態をコリと言いますが、この固くなった筋肉が血管や神経を圧迫して痛み、痺れ、等の不快な
症状を引き起こしているのです。

肩こり腰痛などを体験されたかたは多いと思うのですが、これは筋肉が固くなってしまい神経や血管を締め付けたり
圧迫することによって、血流を悪くしたり、神経の電気信号を阻害して痺れや痛みを発生させているのです。


ここで言う筋肉とは内臓や血管、腱、靭帯などの全ての軟部組織を含みます。


現象としては筋肉が固くなっているだけなので至って単純な事なのですが、この筋肉のコリは様々な痛みや痺れを引
き起こす原因となるのです。


このブログでは筋のコリを中心に何故なかなか病気が治らないのか? 東洋医学とは? 
中でも鍼治療を中心に分かりやすい言葉で説明していきたいと思います。


このブログを読んで一人でも多くの方が体調を改善して楽しい人生が送れることを願ってやみません。


2020年06月29日

1.筋肉のコリとは? 


1-1 人は代謝によって生命活動を行っています。


筋肉が固くなった状態の事をコリと言います。

肩こりに代表されるように筋肉がカチンコチンに固くなった状態の事を言うのです。


それでは何故、筋肉は固くなるのでしょうか?

この事は鍼灸治療の科学的根拠と深く関わってきますので是非熟読してご理解いただけるとありがたいです。
筋組織のコリ現象は人体の生命活動に深くかかわる問題ですので、まずは人間の代謝について理解する必要があるのです。



人は何故病気になるのか?

それを一言で言い表しますと血流が悪い事から病気は起こるのです。


生物は酸素を呼吸から吸収し、栄養を食べ物から吸収します。吸収された酸素と栄養分は血液を通して各細胞に送り、
各細胞は送られてきた酸素と栄養分で生命活動を行います。

生命活動を行った細胞は生命活動の結果出た老廃物を排出します。

二酸化炭素は吐く息から排出され、その他の老廃物はリンパの流れに乗って腎臓に行き、尿となって排出されます。
これを代謝と言います。

この代謝過程がスムーズに滞りなく行われていれば理論的には病気にはなりません。


問題は生命活動を行った後に排出される老廃物がスムーズに体外に排出されないことです。
代謝がうまく行かなくて腎臓まで老廃物を運べず、筋肉中に溜まってしまうのです。



西洋医学は体に必要な栄養を体に入れるという事に主眼を置いていますが東洋医学は老廃物をスムーズに体外に排出させる事に主眼を置いています。

この考え方は気功や漢方などの外の東洋医学にも通じるところがあるのです。

体に溜まった老廃物を体外に排出させることこそが病気にならない体つくりの第一歩なのです。


2020年06月29日

1-2 コリの原因となる老廃物とは?

それではコリの元となる老廃物とは一体何でしょうか?

ここでいう老廃物とは代謝の過程で出されるゴミみたいなもので、尿酸、乳酸、クレアチン酸などが代表例です。
簡単に言ってしまえば尿なのです。

老廃物(尿)がうまく流れないと筋肉組織中に溜まってしまい、硬くなってしまうのです。
この筋肉組織に老廃物(尿)が溜まって固くなる現象を東洋医学ではコリと表現しているのです。


老廃物(尿)が肩に溜まれば肩こりになり、腰に溜まれば腰痛になります。
下腹部に溜まれば不妊になり、顔に溜まれば老け顔になるのです。

体中に尿が溜まっている状態なんて考えただけでもゾッとしますよね。


固くなった筋肉組織は周辺の血管や神経を圧迫してしまい、様々な症状を引き起こします。

神経を圧迫すれば痛みや痺れとなって感じます。 血管を圧迫すれば各組織に栄養分が行かなくなり、老廃物が排出されにくくなるのです。

この現象が痛みや痺れなどの不調の原因なのですが、西洋医学で異常なしと判断されてしまうのです。

そして、この血流障害の状態はまだ西洋医学の病気の範疇ではないのです。


しかしこの状態が長く続きますと血液が酸性に傾き、いずれ癌、膿、胃潰瘍などの細胞自体の変化に繋がってしまうのです。

ここまで来てやっと西洋医学が病気と認定して治療に入るのです。

ここで血液の流れを改善し、筋肉中に溜まった老廃物(尿)を速やかに尿として体外に排出し、元の柔らかい筋肉に戻すことで様々な不調から解放され、病気の予防に繋がるのです。


2020年06月30日

1-3 全身いたるところが凝ってくる


全身の筋肉はコるのです

「人間は柔らかく生まれて硬くなって死んでいく。。」という言葉がありますが、どうしても老化と共に各所が硬くなる傾
向にあります。

逆を言えば全身を軟らかく維持できれば健康で長生きが出来ると言うことが出来るでしょう。

患者さんに説明するときに、肩首や腰は凝るのは理解して頂けるのですが、治療中に患者さんに、「ここが固いですよ、凝っていますよ。。。」と言うと「え~~何でそんなとこが凝るんですか?」という答えが返ってきます。 
全身の筋肉は凝るのです。


お腹、顔、頭、指、 お尻、 胃、肝臓、腸、目玉、、、およそ凝るなんて考えられないところが凝るのです。

自分では想像できないところに筋肉のコリがあるのです。そこに病気を直す大きなヒントがあるのです。

人間の体の中で凝らないのは骨、髪の毛、爪、歯くらいのものでその他の軟部組織はその全てが硬くなるのです。

この硬くなった筋肉をしっかりほぐして柔らかくする事で身体の不調を治すのです。

2020年07月01日

1-4 何故、筋肉は凝るのか?

前回までは筋肉のコリ(筋肉中に老廃物が溜まって固くなった状態の事)が様々な症状を引き起こすことを学んできました。

それでは筋肉が何故こるのでしょうか?


血流が悪く、代謝が悪いために老廃物(尿)が筋肉中に溜まってしまうのですが、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。

何故代謝が悪くなるのでしょうか?

代謝が悪くなる原因は血流障害ですが、その原因は以下の六つで

 1  姿勢が悪い
 2  運動不足
 3  栄養状態が悪い
 4  休息不足 (睡眠不足、使い過ぎ)
 5  傷跡 手術痕
 6  年齢


以上の6個の原因で血流障害を起こし、筋肉中に老廃物が溜まってしまうのです。

身体が凝りやすい人は以上の六つのうちどれかに当てはまります。
原因は一つではなく、多岐にわたることも多いのです。

臨床経験上一番多いのは、1の姿勢と 2の運動不足です。
次章からはひとつひとつ紹介していきたいと思います。



2020年07月02日

1-4-1 姿勢が悪い

筋肉が凝る原因の一番は何といっても姿勢が悪いことでしょう。

昨今ではパソコンやスマホを操作する時間が長く、どうしても同じ姿勢をすることが強いられます。

姿勢が正しければ良いのですが、悪い姿勢のままだと血流が悪くなり、老廃物が溜まりやすくなるのです。

脊椎骨盤矯正の話はあとで詳細に述べますが、今は図のような背骨が猫背になってしまい、骨盤が後方変異(でっちり)になってしまう姿勢が多いのです。

が後方変異しますと便秘、生理痛、不妊症などの原因になります。

脊柱が歪みますと 胃、心臓、肺などの臓器にも影響しますし、首が悪いと脳へ血流が阻害しますので自律神経失調症や頭痛を併発致します。

骨盤や脊椎を正しい位置に戻すだけで血流は劇的に改善し、凝りにくい体質に変わることが出来るのです。


2020年07月05日

1-4-2 運動不足


血流が悪くなる第二の原因は運動不足でしょう。

運動をして心拍数がある程度上がることにより、血流が早くなります。
通常ですとユックリと流れている血液が運動して心臓に負荷をかけることにより。心臓のポンプ機能が上昇し、流れが速くなるのです。

川の流れに例えますと、下流域のようなゆっくりとした流れが上流域のような激流になるのです。
血流が早くなることで滞っていた老廃物を速やかに腎臓に送ることが出来、体外に排出できるのです。


今や車の普及で田舎の人ほど運動不足になっています。
どこへ行くにも車を使用するため歩かなくなっているのです。

東京などの大都市の人ほど電車やバスを使用する頻度が高いのでよく歩くと思われます。

運動と言っても何も難しい事をしなくても良いのです。
少しの距離でも歩くことを心掛ければ血流は改善致します。

家を出るのが嫌なら、ヒンズースクワットと腕立て伏せだけで全身の筋肉を使いますので血流改善に役立ちます。

少しずつでも毎日のちょっとした努力が体質改善につながるのです。

2020年07月05日

1-4-3 栄養状態が悪い

栄養状態が悪くてもコリが溜まりやすいです。

ちゃんとした食事をとっていない、外食が多くて栄養の偏りがある、冷たいものを多く取る。などです。


栄養面に関しては種々の説明をしている方が多いので、ここでは多くは語りません。
栄養に関しては細かいことを言うとキリがないのです。

次の三点を考慮すれば大丈夫ではないかと思います。


1. 地産地消

その土地でとれたものを食べる、日本食をメインにする。
これは基本法則ではないでしょうか?
日本食は世界遺産にも指定されたくらいバランスの良い食事ですし、なにより日本が長寿世界一が物語っていると思います。
外国産のものはどうしても防腐剤などの影響があります。


2. 旬のものを食す

季節に合った自然に取れたものを食する。
今や野菜などは季節感がなく、いつでも食べられますが、やはり旬のものを食べたほうが健康には良いと思います。


3. 冷たいものを食べない

これは東洋医学的にも絶対と言っていいほどしてほしくないです。
冷え性のホームページでも述べていますが、現代人はアイスや氷を取りすぎです。
胃腸を直接冷やすこれらの食べ物は内臓の冷え性を引き起こし、免疫能力の低下を引き起こします。
アイスや飲み物に氷を入れる行為は避けるべきです。



2020年07月05日

1-4-4 休息不足

人間は休まないとだめです。

睡眠不足や同じ筋肉を酷使するのもコリを溜めやすいのです。

仕事を頑張るのも良いのですが休まず働いたり、睡眠時間を削ってまで働いたりすると体に疲労がたまってしまいます。
この疲労も元を正せば老廃物という事になりますので、筋肉が凝ってしまいコリとなって血流を阻害します。


近年多いのが長時間のパソコン作業やスマホの見過ぎで首に老廃物が溜まってしまい、脳への血流を阻害するパターンです。


脳は莫大な酸素を消費しますので自律神経障害を引き起こします。
この時点でもまだ病気ではないのですが、様々な自律神経失調症の症状を引き起こします。


ついには脳卒中や心筋梗塞などの命に重大な疾患となる恐れもあるのです。

社会情勢の変化の中で長時間労働を強いられる事が多いのですが、体に老廃物を溜めない努力をしていって欲しいものです。


2020年07月06日

1-4-5 傷跡 手術痕

傷跡や手術痕なども組織を固くしてしまいますので血流が悪くなり、コリの原因となってしまいます。

一番有名なのが首のむち打ち症でしょう。
むち打ちは首の靭帯を思いっきり伸ばして、損傷してしまう疾患です。
交通事故だけでなく、転んだり、急に抱き着かれたりしても起こる現象です。


むち打ちは早急に治療すれば良いのですが、症状がないと放っておいたり、病院などのシップや電気治療のみですと筋に老廃物が溜まり続けて固くなってしまうのです。

その結果、肩首コリ、頭痛、めまいなどの脳への血流障害が原因と思われる様々な症状を引き起こします。

次に多いのが開腹手術の経験がある患者さんです。
お腹に手術痕がありますと周囲の筋肉を引っ張ったり巻き込んだりして固くしてしまいます。

不妊症の大きな原因となってしまいます。

頭の傷跡も侮れません。

脳への損傷がないからと言って見くびっていますと、小さな傷跡でも脳への血流不足を起こします。
特に静脈血が流れにくくなりますので老廃物が溜まりやすくなります。
その結果脳腫瘍にまで発展してしまった患者さんもいるのです。


このように傷跡や手術痕は出来てしまえばどうしようもありませんが、早めの対処で傷跡を柔らかく、小さくできるので血流障害の被害を最低限に抑えることも可能です。



2020年07月10日

1-4-6 年齢


年齢問題は誰しも避けては通れない問題です。
誰しも年は取りたくないと思っていますが、こればかりはどうしようもないことです。

「人間は柔らかく生まれて固くなって死んでいく」

年齢と共に体中に老廃物が徐々に溜まっていき、最終的には心臓に溜まって停止します。

死は避けては通れないのですがそれまでは健康にいたいと思うのが人の常です。

しかし、ご心配なく!!

老廃物を体外に排出する努力を続ければ死ぬ寸前まで人は元気に動いていられるのです。



2020年07月16日

2.筋肉のコリを解消するには東洋医学がベスト

前章までに筋肉のコリについての詳細を述べてきましたが、ここからはコリを解消するための治療方法について述べていこうと思います。

コリを解消するには西洋医学より東洋医学の方が圧倒的に効果的です。

西洋医学では薬で痛みを取ったり、血液をサラサラにしたり、血管を拡張させたりして血流を改善しますがこれはあくまで血液成分をサラサラにしたり、血管を広げて血液の流れを改善するものです。
筋肉中に溜まった老廃物を除去は出来ませんのであくまで対症療法となります。

東洋医学では鍼灸を中心にあん摩、マッサージ、指圧などの手技があります。
これに加えて脊椎骨盤を調整して血流を良くすることを主眼としたカイロプラクティックや整体などもあります。

これらの技術を使って筋肉中に溜まった老廃物(尿)を体外に排出させて筋肉を元通りの柔らかい組織に戻し血流を改善するのです。


鍼治療が東洋医学最強

数ある東洋医学の中でも鍼治療がコリを解消するのに一番効果的なのです。
其のことを説明する前に鍼治療とは何かを分かりやすく説明致します。

2020年08月19日

2-1  鍼治療とは?

鍼灸治療は古くは中国で生まれた医療です。

鍼を特定のツボ(経穴)と言われる箇所に打ち、その刺激で病気を治そうとする東洋思想のもとで2000年以上続いている東洋医学です。
西暦100年代の三国志の時代には既に確立されていて、魏の国の王の曹操に頭痛の治療を施していた華佗という鍼灸医師の記録が残されているのはあまりにも有名な話です。

その他に東洋医学に分類されるものに、あん摩マッサージ指圧、整体、漢方薬治療、気功治療などがありますがなかでも鍼治療がダントツに効果があるのです。
鍼治療がダントツに効果がある理由は後述致します。

鍼灸治療は「気」という目には見えないが体中をめぐっているエネルギーがある、という独特の思想に基づいて治療を行っています。

伝統的に2000年以上も前からこの理論で治療を行っているのです。

大多数の鍼灸師はこの理論を疑いもなく行っているのですが、まさしくこの「気」のエネルギー理論が鍼灸を分かりにくく、古臭くて怪しいものにしてしまっているのです。

実は鍼灸治療はもっと科学的根拠に基づいて行われているのです。

これから鍼灸治療を受けようとする患者さんや、今までも鍼灸治療を受けたことがある患者さんにもしっかりと鍼灸治療が何故効くのかを理解していただくことによって治療効果がより一層高いものとなるのです。

2020年08月25日

2-1-1 鍼治療の科学的根拠

鍼灸治療は筋組織のコリをほぐして正常な筋組織に戻すことを主眼としています。
西洋医学で異常なしと診断されたり、また診断されても全然治らない原因は筋組織のコリです。
俗にいうコリとは筋組織に溜まった老廃物(尿と同じ成分)の事です。
ここまでは前章のコリ理論のところでお話した通りです。

この筋肉中に溜まった老廃物を鍼で刺激して血流に戻し、腎臓から尿として体外に除去することによって筋組織を元の状態に戻すのです。

ここからが鍼灸治療の科学的根拠となる理論なのです。


鍼を打つと血流が改善することは様々な実験からも立証済みなのですが、実際にはなぜ血流が改善するのでしょうか?

鍼を体に打つという事は、体にケガをさせているという事です。
人体は体に傷をつけられたらどういう反応を起こすのでしょうか?

ケガをした個所を直そうとして血液が集まります!!
コリがある組織には血液の流れが悪く、例えれば下流域のドブ川のような汚い血液の流れなのです。

鍼で微細な傷を負わせることによって周囲の奇麗な血液が集まって、血流が早くなって上流域のような奇麗な血流になるのです。

そのおかげで筋組織中に溜まっていた老廃物も勢いよく流されて、リンパの流れに乗り、筋組織の外に排出されるのです。
最終的には血液やリンパの中に戻って尿となって体外に排出されるのです。

もうひとつケガをした時に起こる現象が白血球やリンパ球が血液中に出現して病気を治してくれるという事です。

通常白血球は骨髄の中に存在しています。けがや細菌感染の時に血液中に出現して治癒に働きます。
このように鍼治療はわざわざ人体にけがをさせて、治癒能力を呼び起こさせて体調の回復を狙うものなのです。

何となく理解して頂けたでしょうか? 
簡単に説明しましたがこれが鍼の治癒効果の科学的な説明なのです。

2020年08月25日

2-1-2 中国三千年の伝統医学との比較

鍼灸の理論は中国の三国志の時代西暦200年頃には完成していましたから驚きです。

しかし当時の医療家の方達はまだ西洋医学的な解剖学や生理学の知識がなかった為に気と言う目に見えないエネルギーを考え出したのです。

そしてこの気の流れが滞る場所を経穴と言い、各経穴を結んだ道すじを経絡と呼んだのです。

気が滞ったり、流れなくなると病気が発生すると考えたのです。
しかし、この気という目に見えないエネルギー論が東洋医学を非常に分かりにくいものとしてしまい、ともすると怪しい宗教に間違えられやすいものとしてしまっているのです。

「気」と共に鍼灸治療を代表する言葉でツボ(経穴)というものがあります。
身体中のいたるところにあるとされるツボを刺激して気の流れを整えると病気が治ると言うのが鍼灸治療の基本的な理論です。

ではそもそもツボとは如何なるものなのでしょうか?
人間は日々代謝をして生き続けています。それは食べ物を摂取し、それをエネルギーとして生命活動を行い、その結果生みだされる老廃物を汗、小便、大便として体外に排出されるのです。

この代謝の一連の過程がスムーズに流れて行けば健康な肉体を維持出来るのですが、老廃物が上手く体外に排出されないと身体の調子が悪くなってしまうのです。

この老廃物(特に尿の成分が)が体中の筋組織に溜まってしまい、コリとなって様々な症状を引き起こしてしまう事は前述した通りなのです。

この老廃物は全身の筋肉中の至るところに溜まるのですが人体の中で特に溜まりやすい箇所をツボと言っているのです。

つまり疲労を起こして老廃物が溜まりやすい箇所をツボと命名して治療の指標にしたのです。

そしてこのツボに溜まった老廃物の事を「気」と表現して老廃物が流れる道筋の事を「経絡」と表現したのです。
「気の流れ」とはリンパの流れという事になります。

ですからツボの位置は人によって全然違いますし、あくまで目印にしか過ぎないのです。

昔の中国人は生理解剖学的な知識が殆どないのに、感覚的に人間の代謝を理解して血液やリンパの流れを良くして病気を治そうとしていたのには驚きです。

2020年08月25日

2-1-3 他の東洋医学との相違

東洋医学の治療方法には鍼灸治療のほかに漢方薬、あん摩マッサージ、整体などがありますが当然鍼灸治療が最も効果のある治療方法なのです。
それぞれの効果を示して鍼灸治療との効果の違いを述べていきたいと思います。


漢方薬治療


漢方薬は体液に働きかけて体内の老廃物を汗、小便、大便として排出させる効果があるのです。
しかし体験したことがある方はわかると思うのですが効きが弱いし、時間がかかりすぎるのが難点です。
その原因は他の西洋薬やサプリメントもそうですが、患部に直接は行かないからです。
例えば膝が痛いと言っても膝に直接薬が行くわけではないので効果が薄いのです。


あん摩、マッサージ


手技でコリをほぐして、老廃物を流す治療方法です。
手技は鍼灸に比べますとソフトなイメージですし、手軽感はあるのですが、コリが体表に近い表面にある場合のみに効果を発揮します。
コリがインナーマッスルのような2センチ以上深い位置に存在しますと殆ど効果がありません。
しかも無理に揉んだりしますと筋肉の損傷(肉離れ)を起こす原因にもなります。


整体、カイロプラクティック


整体やカイロプラクティックは脊椎や骨盤の歪みを直して、神経や血管の圧迫を取り除いて病気を治そうとする治療方法です。

姿勢矯正はコリが溜まりやすくなる最大の原因ですが、私の提唱する六つのコリ理論の一つにしか過ぎないのです。
そもそも骨盤、脊椎の歪みがあることを前提としていますので歪みがない場合は対応が出来ないのです。
しかもかなり荒っぽい施術をする先生もいますので、無理やり骨格を動かすと靭帯損傷やむち打ちの原因にもなるので要注意です。

ここで鍼治療の方が危険ではないのか?という声が聞こえてきそうですが、実は全然違うのです。
整体やカイロは人体を筋や腱を人間の力で強引に引っ張ったり、押したりしますので筋の損傷を引き起こしやすいのです。
事実当院にも痛いのを我慢すれば治るからと言って強引に揉まれて靭帯損傷を起こして来られた患者さんもいるくらいです。
それに比べて鍼治療は強引な矯正はしませんし、鍼の傷跡は0.2ミリ~くらいのものなので意外と人体には優しいのです。

また私自身も整体の臨床歴も長いのですが、骨盤、脊椎の矯正にも鍼治療のほうが圧倒的に優れています。
それは脊椎や骨盤などの関節の歪みには必ず骨に付着する靭帯の硬結が見られるのですが、この靭帯の硬結を柔らかくしない限り関節は元には戻らないのです。

この靭帯を柔らかくするのがコリの治療と同じですので鍼のほうが効果があるのです。
関節を構成する靭帯を鍼で柔らかくすることで自然と骨格は正常な位置にまで戻るのです。


鍼 灸 治 療


鍼灸治療の良さは何といっても深い位置に存在するコリに対応できるということです。
皮膚を通過して直接筋肉に刺激も与えられますので、効果は絶大です。

しかも鍼には細いものから太いものまでありますのでコリの固さ対して適応できます。
また長い鍼もありますので深さにも対応できます。

漢方薬や手技に比べたら治療の強弱の幅がけた違いに広いのが特徴なのであらゆる疾患に対応できます。
弱点は若干の痛みを伴うことと、治療家の腕の差が大きい事くらいでしょうか?


2020年08月25日

3 .鍼灸師の腕の差はものすごいある!!

鍼治療は東洋医学の中で最強の治療という事が分かって頂けたかと思います。

ここで鍼治療の中でも治療家によって大きな腕の差があることも理解して頂きたいのです。

よく皆さんに鍼治療って効きますねとおほめの言葉を頂きますが、私はいつもこう答えています。
「鍼が病気を直すのではなく、鍼を使って我々治療家が病気を直しているのです。」と。

西洋医学では薬の効果である程度はどんな医師でも一定の効果はでるのですが、鍼灸は薬を使っているわけでも、手術しているわけでもないので鍼を打つ技術一本で勝負しているのです。

鍼灸師の免許があればだれでも同じ効果を出せるわけではなく、患者さんの症状に合わせて 鍼の太さ、長さ、治療時間を自在に操らなければならないのです。

鍼治療で使用するツボ(経穴)は老廃物が溜まりやすい箇所だと説明致しました。
重症でどこへ行っても治らないと悩んでいる患者さんはツボに溜まった老廃物が深い位置に溜まり、硬くなり、量が多いために治らないのです。

これには相応の刺激がないと老廃物は流れてくれませんので指圧整体などの手技では体表の筋肉にしか刺激が届きませんので深い位置にまでは絶対に届きません。

鍼灸治療も細い鍼や短い鍼だと刺激が到達しないのです。
若手や経験値が浅い治療かですと細くて短い鍼しか打てませんので軽症者しか直せないのです。

アキュレの鍼治療は日本でもトップクラスの多く種類の鍼を使用します。
実はその事自体が多くの難病を治すことに繋がるのです。

老廃物が溜まっている位置が深ければ長い鍼を
老廃物が固くなっていれば太い鍼を
量が多ければ回数を重ねなければ治らないのです。

ツボに溜まっている老廃物の位置や量はレントゲンや血液検査では分からないのです。
文字通りやってみないと分かりません。

しかし刺激が足りないと何度治療をしても改善しないのです。
この深くて固くなったコリを治すのが鍼治療であり、とりわけ患者さんのツボの状態に合わせた鍼を打つことが重要なのです。


2020年08月26日

3-1アキュレの鍼灸治療1

前章では鍼灸師の腕の差について述べました。
簡単に言ってしまえば多くの種類の鍼を使いこなせる鍼灸師が腕が良いことになります。

鍼を刺すツボの位置が正確に打てるか?という事も腕に直結しますがあえて言わせてもらえばツボの位置が分からないのはプロとは言えませんので腕の差以前の問題です。

ここでアキュレの鍼治療は日本でもトップクラスの多く種類の鍼を使用します。

その事自体が多くの難病を治すことに繋がるのです。
老廃物が溜まっている位置が深ければ長い鍼を,老廃物が固くなっていれば太い鍼を,量が多ければ回数を重ねなければ治らないのです。

当院では日本で使用される一番太い43番鍼まで打てます。長さも通常の体格の人なら十分な15センチの長さの鍼まで打てます。扱える鍼の種類の多さこそが鍼灸師の腕の証であり、どこへ行っても治らないと悩む患者さんの希望の光となるのです。

鍼の種類について



鍼の太さは番号で表します。
以下の番鍼の太さが所謂ディスポの鍼です。

02番   0.12㎜
01番   0.14㎜
1番    0.16㎜
2番    0.18㎜
3番    0.20㎜
5番    0.25㎜
8番    0.30㎜

これ以降は特殊鍼となりますので使い捨て対応ではありません。

10番    0.35㎜   
15番    0.45㎜    
18番    0.50㎜    
23番    0.60㎜    
28番    0.70㎜    
33番    0.80㎜    
43番    1.00㎜    

通常の鍼灸院では番鍼でいうと3番以下の鍼を多く使用するのかと思われます。
当院では日本で一番ふとい鍼である43番鍼(直径が1ミリ)の鍼まで使用できます。

長さも通常ですと60ミリまでしかないのですが当院では150ミリまでの鍼が使用できます。

実は長さで言えばもう少し長い鍼もあるのですが通常の体格の患者さんでしたら150ミリの長さがあれば人体のどこでも最深部にまで刺すことが出来るのです。

この圧倒的な鍼の種類の多さが理解して頂けると他の鍼灸院とのレベルの違いが分かって頂けると思います。


2020年08月26日

3-2.アキュレの鍼灸治療2

健康な人ほど鍼が痛く感じる!!


問題はこれだけ多くの鍼の種類の中から患者さんの状態に合った最適の鍼を選ぶのかです。
いきなり太い鍼とか長い鍼を打たれるのでは?と怖がる患者さんもいるのですがご心配なく。

鍼の選定は全て患者さんに決めていただいています。

「健康な人ほど鍼が痛く感じる!!」


これが治療の大前提になります。
つまりコリが深くにあり、硬く、量が多いほど鍼の痛さを感じないのです。

ここで言う痛みとは刺すときのチクっとした痛みの事ではなく、刺した後に感じる刺さっている感覚です。

人によってはジーン、としたり、チクチク感じたり、効いた感じがするのかどうかです。

鍼は痛みの刺激で血流を改善して病気を治しますので、痛みを感じない鍼は効いていないのです

重症な患者さんほど刺しても感覚が鈍く、鍼が刺さっているのですか?と聞いてくる方もいます。
こういう鍼だと効かないのでもっと太かったり深く刺したりと操作をするわけです。

これと逆に痛みを強く感じた場合は細い鍼や短い鍼に変更する場合もあるのです。


人間は痛みが怖いわけではなく、痛みのコントロールを人に任せるから怖いのです。

あくまで患者さんに痛みの度合いを聞きながら鍼の選定をして施術を致しますので全く不安はないのです。

患者さんにいちいち効果を聞いて治療することによって最短で老廃物を体外に流して健康な体を手に入れる事が出来るのです。

2020年08月26日

4 筋組織の痛みの鑑別について

これまでは筋肉のコリについて述べてきましたが実際の臨床では筋肉の痛みにはもう二つの種類があるのです。
臨床上では9割がたが筋肉に老廃物(尿の成分)が溜まって固くなる現象なのですが、一割くらいの割合でコリ以外でも痛みが発生します。
実はこの鑑別を間違えますととんでもないことになりますので要注意です。


一つ目は筋肉のケガです

筋肉のケガは捻挫、肉離れ、靭帯損傷などです。

患者さんは自分の症状の原因が分からないで来院されますので皆さん一応に痛みが走りますと筋肉を揉んで温めれば良いと思っているのですが、なかには靭帯が損傷していたり、肉離れをしている人もいるのです。

これらは激しい運動や、ぶつかったりしないとならないと思っている方が非常に多いのですがそんな事はありません。

筋組織は日々劣化しているのです。

輪ゴムを例えにすれば分かりやすいと思いますが。
輪ゴムは劣化したらどうなるでしょう?
何もしなくても段々と固くなって、少し伸ばしただけで切れてしまいますよね?
それとおなじ現象が筋肉にも起こるのです。

首の寝違えやぎっくり腰などのように急激に痛みが発生した場合がこの症例です。

またちょっと手を伸ばしただけ、くしゃみをしただけ、歯を磨こうとして前かがみになっただけ。。などで急に痛みが来るのも筋肉が切れているのです。

このように日常の生活の何てことない動作の中から筋肉のケガが起こりますので要注意です。


筋肉のけがの場合は指圧整体は厳禁です。
筋組織が切れていますので揉んだり、温めたりしたら悪化してしまいます。
当院でも整体などに行ってなかなか治らないとか悪化しているパターンは大体この症例なのです。

この場合は鍼で微小な傷を付けて白血球をケガの部位にまで呼び寄せて早急に治癒させるのです。
以前はケガの場合は冷やして安静にしているのが関の山でしたが、積極的に鍼治療を施すことで治癒を早めることが出来るのです。


二つ目は内臓疾患からくる筋肉の痛みです。

これは内臓の疾患からくる筋組織の痛みです。
特にガンなどからくる腰痛や背部痛が症例として多いのです。

最近では減りましたが以前では病院の検査にも行かないで来院される患者さんもいましたので非常に注意していました。

この症例は触診しただけでは分かりにくいのです。

この場合は進行性の疾患ですので鍼灸治療が効かないばかりか、症状が悪化していきます。
早急に病院での精査が必要な場合がありますので東洋医学の治療で長引かせるのは厳禁です。

他に特徴的な症状は夜間に痛くなる夜間痛がある、楽な姿勢がない、痛みが発生する姿勢がはっきりしない、 随伴症状がある(例えば下痢やベンピ)などを総合的に判断する必要があるのです。

内臓疾患が重篤な場合は病院の治療と並行ると効果が大きいです。

実は筋組織のコリと上記の二つの病態の区別をつけないととんでもないことになるのです。


2020年08月27日

5 症状が何故改善しないのか?

筋肉のコリが様々な症状の原因であり、それを改善する方法で鍼治療が最強であることを今まで述べてきました。
しかし、コリ理論だけでは説明がしにくい理由がまだあるのです。。

ここでは今まで述べてきましたコリ理論に基づいて、更にもう一歩踏み込んで、色々治療をしているのだがなかなか改善しない理由を詳細に述べていきたいと思います。

何故治りにくい病気があるのか?


これらには必ず原因があるのです。

症状が改善しないポイントをいくつかに分けて説明していきたいと思います。
おおまかに次の四つの原因に分類されます。


1 体の不調が筋組織のコリから来ていないか?
2 そもそも病気の診断が間違えていないか?
3 診断が合っていても治療する場所ツボが間違えていないか?
4 治療する場所ツボが合っていても刺激量が足りているのか?
5 治療回数が足りているか?


これらの問題を全てクリア出来るには膨大な臨床体験が必要となるのですが、昨今では整体などでは短期間で開業出来たり、臨床例が少ない施術家でもインターネットの力で集客が出来たりするため為、なかなか分かっている先生が少ないのです。

患者さん側はどの先生も同じように思っていたり、先生だから何も言わなくても分かっているんでしょ?などと感じている人も少なくないのですが、実際には治療家の腕には雲泥の差があるのです。


2020年08月27日

5-1 体の不調がコリからきていないか?

この問題は筋組織のコリの章で説明したとおりです。

詳細は1.筋組織のコリの章を参照してください。

この問題は症状が治らない第一番目で最大の原因となります。
そもそも筋肉が固くなって痛みを起こしているだけなのに、薬などの西洋医学に頼ってしまっている場合です。

筋肉のコリからくる症状を薬などでは改善が期待できないのです

代表例が頭痛です。
頭痛などは肩首のコリを解消さえすれば治ってしまう症状なのですが、病院へかかってしまうと痛み止めの薬を処方されます。
痛み止めですから一時的には痛みは解消しますが、ずっと薬を飲み続けなければならなくなるのです。
薬が効かなくなりますともっと強い薬を処方してもらう事となり、延々と薬害のループにはまってしまうのです。


2020年08月27日

5-2 そもそも病気の診断が間違えていないか?

患者さん側からすれば、診断を間違えるなんてありえるのだろうか?と耳を疑うでしょうが、以外と多いのです。

なかなか病気が治らないと言って当院を訪れる患者さんの中で二番目に多い理由がこれです。

医師などの診断を絶対視する方などはこちらの診断とあまりにも違う為に訝しがる人もいるくらいですが、結果として治ってしまうと皆さん認めざるを得ませんので、脱帽して頂けます。

一番多いのが腰の痛みを訴えた場合に病院の診断では腰椎のヘルニアと言われるパターンです。
しかし実際にヘルニアは数ある腰痛の種類の中での1つのパターンに過ぎないのです。

当院を訪れる患者さんで多いのが骨盤や股関節痛由来の腰痛が多いのですが、この場合ヘルニアを起こしている腰椎(腰の骨)を治療しても一向に治らないのです。
股関節や仙腸関節の治療をすることにより腰痛が劇的に改善していく体験を幾度としたことでしょうか?

足の痺れがある場合でも、坐骨神経痛と診断して必ずと言っても良いほど腰に原因を求めますが、実際の臨床ではお尻の下の梨状筋に異常がある場合が多いのです。
このパターンでも散々腰の骨を治療して治らないと言って来院される患者さんが多いのです。

このように病気の診断名が違っていると全く治らないのです。


2020年08月28日

5-3 診断が合っていても治療する場所ツボが間違えていないか?

診断名が合っていても治療する場所(東洋医学ではツボ(経穴)と呼んだりしています)が間違っていますと治らないのです。

これも患者さん側からすると信じられないかも知れませんが、治療するツボは本当に難しいのです。

そもそも病変のある場所は筋肉の硬結(コリ)が見られます。

東洋医学ではこの硬結をほぐして柔らかくする事で神経や血管への圧迫を取り除き、痛みや痺れを取るのですが、この硬結の位置が数ミリ単位で変化しますので非常に難しいのです。
コリとは筋肉中に老廃物(尿の成分)が溜まって固くなった現象ですが、老廃物は元々液体成分ですので場所が変化したりするのです。

ツボを正確に捉える技術は経験が浅い施術者では出来ない場合もあるのです。

当院に来院される患者さんでも、診断名は合っているのですが治療する場所が微妙に違っていたりして治らない患者さんか多いのです。

2020年08月28日

5-4 治療する場所ツボが合っていても刺激量が足りているのか?

これは治療する場所がたとえ合っていても、治療の刺激が足りないという問題です。
前述した治療家の腕には雲泥の差がある事に大きく関係する原因です。

ツボ(経穴)は重症な人ほど深く入り、硬くなり、老廃物の量が多くなるのです。

指圧マッサージ整体などでどんなに強く揉んだり、整骨院で強い電気治療をしても、その刺激は人体内部にまでは届きません。
せいぜい数センチ下くらいでしょうか。

これでは何十回何百回治療しても治療の刺激が患部にまで届きませんので治癒して行かないのです。

それに比べて鍼治療は1センチから15センチくらいまでの深い位置にまで刺激が到達しますので深層の組織にコリがあっても刺激が届くのです。

更に筋の硬さの問題もあるのです。

筋肉に老廃物が溜まりますと固くなって行きます。

この固くなった筋肉を柔らかくするのですが、この固さも比較的柔らかくてゴムのような固さから、カチンコチンになって骨のような硬さにまでなるものもあるのです。

マッサージや指圧などの手技などでは比較的柔らかいコリにしか対応出来ません。
それに比べて鍼治療は細い鍼から太い鍼までありますので、刺激量としましたら無限にあります。

アキュレ鍼灸では鍼の太さが0、2ミリから一ミリまでの太さの鍼を取り揃えています。
一ミリの鍼はほとんど釘に近い太さになりますが、これくらいの太い鍼でないと対応出来ない患者さんも居るのです。

このように重症な人ほど治療する箇所(ツボ)が合っていても刺激量が絶対的に足りなくて治らないことが多いのです。


2020年08月28日

5-5 治療の回数が足りているか?

治療回数は患者さんにとっても大変重要な問題となります。

何回位で直るのでしょうか?とよく質問されるのですが、最短で治しますと説明します。

鍼灸治療は鍼の刺激で老廃物を排出することなのですが、そもそもどれくらいの量の老廃物が筋組織中にあるのか?
深さはどれくらいなのか? 患者さんの代謝は?などが我々にはやってみなくては分からないからなのです。

老廃物はレントゲン上にも映りませんから重症度が判定のしようがないのです。

つまり症状が改善する回数は次の要因で決まると思います。

1 コリがどのくらいの量溜まっているのか?
2 コリの位置がどれくらい深いか?
3 患者さんの老廃物排出能力は?
4 治療家の腕


1 コリがどのくらいの量溜まっているのか?

コリは筋肉に溜まった老廃物の事ですが、この量が問題となるのです。
コリは量が多くなると密度が高くなり、凝縮しますのでどれくらいの量が溜まっているのかはそれこそ個人差がありますので分からないのです。



2 コリの深さは?

コリの量が例え多くても深さが比較的浅くて体表近くですと、マッサージなどの手技で改善するのですが、コリが深い位置に入りますと鍼治療でなければ治りません。

さらに鍼治療でも短い鍼しか打てない先生では刺激が奥深くまで到達しませんので改善しないのです。


3 患者さんの老廃物排出能力は?

患者さんの自然治癒力とは筋肉中に溜まった老廃物をスムーズに体外に排出出来るかに掛かっています。

この老廃物を体外に排出する能力は個人差が激しいです。

鍼灸治療に来る患者さんはなかなか筋肉中の老廃物を排出出来ません。

ですから筋肉のコリとなってしまい、固くなってしまうのです。

筋肉が固くなりますと疲労が溜まりやすくなりますし、ケガの元にもなりやすいのです。

スポーツの世界でプロになったり、オリンピックに出場できるような人は筋肉中の老廃物を速やかに体外に排出出きるために、どんなにハードトレーニングを積んでもケガや疲労をお越しにくいのです。

こういう体質が所謂身体的な能力ですので、後天的には獲得出来ないものなのです。
運動神経だけでは一流の選手になれない所以がこの老廃物排出能力が低いためなのです。



4 治療家の腕

患者さん側からしますと治療家の腕はみんな一緒だと思っているかもしれませんが、そんな事はありません。

マッサージや整体の手技療法ではそんなに差がないかもしれませんが、鍼治療は人体内部に鍼を刺すわけですから大変難しいのです。

治療箇所、鍼の太さ、長さなど様々な患者さんに合わせなければなりません。

その為に多くの臨床体験を積まなければなりません。

実は鍼灸治療の教育の中でこの臨床体験が一番問題なのです。

西洋医学では医学部を卒業した後にインターン制度により全ての学生に一定の臨床体験が積めるのですが、鍼灸治療にはそれがありませんので自分で先生を探して経験を積まなくてはなりません。

更に鍼灸治療は西洋医学のように理論が統一されていませので、各先生方の治療理論が全く違ったりするのです。
このような事から先生方の腕にもの凄い差が出るのです。



以上の4つの要因で治療回数が決まって来ます。

なかなか治癒しない患者さんは上記の条件にあっていても治療回数が足りない可能性があります。

他人と比較して、これくらいで直るだろうと患者さん自身で治療回数を推測する方がいらっしゃいます。

治らないとすぐに治療院を変更するかたもいらっしゃるのである程度治療に時間をかけないと結果が出ないときもあるのです。
これだと思った治療院に出会ったらトコトン通うのが治癒への最短の道なのです。


2020年10月28日