顔面神経麻痺の鍼治療


顔面神経麻痺は初期の段階で直さないと非常に治りにくい疾患です。

その為いつまでも顔に違和感が残ってしまい、辛い思いをします。

特に女性はお顔が少しでも動きにくいと大変なストレスを感じるものです。

当院ではこの顔面神経麻痺に対して独自の治療方法で改善に導いています。

長年苦しんでいても諦めずに治療を続けますと改善が見込めるのです。

このホームページを読んで1人でも多くの顔面神経麻痺で苦しむ患者さんが救われることを願っています。


顔面神経麻痺の原因


顔面神経麻痺を起こす原因にはウイルス性のものと筋肉性のものがあります。

一番多いのは、 ウイルスによる感染で顔面神経が破壊され麻痺が起こるベル麻痺とハント症候群です。

中でも単純性ヘルペスウイルスの感染が原因で起こるベル麻痺は、全麻痺患者さんの約60%、 水痘疱疹(すいとうほうしん)ウイルスの感染が原因で麻痺が起こるハント症候群は15~20%と、統計的に顔面神経麻痺の80%近くがこの両者で占められます

それ以外は特発性と言って顎周辺の筋肉の「凝り」によって発生するものです。

これは主に顎周囲の筋肉が硬くなって顔面神経の出口(茎乳突孔) から顔にかけての神経を圧迫してしまい、麻痺が起こるものです。

原因は歯の食いしばりが大きく影響しているものと思われます。

中でも 長年、顎がガクガクしたり、あごが開きにくいなどの顎関節症を患っていますと顔面神経麻痺にもなりやすいので要注意です。

しかし、大多数の患者さんは顎に異常を感じま せん。

かみ合わせの異常や、歯ぎしりなどの習慣でじわじわと 顎関節周囲の筋肉が固くなってきます。

そして気づいたら顔面神経麻痺が発症しますので非常に厄介なのです。

その他に首の「凝り」も大きく影響しています。

ウイルス性のものはまずは病院で治療をして麻痺が残るようなら鍼治療で改善します。

筋肉性のものは最初から鍼灸治療をしたほうが早く改善が見られます。

どのみち一度は病院での精査が必要となります。


顔面神経麻痺の鍼灸治療

ここでは主に筋肉性の顔面神経麻痺について述べていきたいと思います。

顔面神経は脳神経の橋という場所から発生します。

顔面部に出るときには頚乳突孔と言う穴から出てきます。

詳しい場所は耳の下で顎関節の後ろくらいから出てきて顔面部全体にその枝を広げていきます。

問題は顔面部から出て全体に広がる時に比較的浅い筋肉の下を走行しますので顎から顔にかけての筋肉が凝ってきますと神経を圧迫してしまい顔面神経麻痺が起こるのです。



まずは顔面神経の出口の圧迫を解消せよ!

まずは顔面神経の出口である茎乳突孔付近にある筋肉の硬結を除去することが一番の近道です。

茎乳突孔付近には胸鎖乳突筋と顎二腹筋という筋肉がありますが、中でも胸鎖乳突筋は首の筋肉の中でも一番太いが筋肉ですのでここが固くなってしまうと 顔面神経を圧迫して麻痺を起させます。

顎と胸鎖乳突筋の境目から顔面神経は出てきますのでこの部分は食いしばりや、首コリが原因で固くなってしまうのです。

この部分をまず鍼で緩めてからでないと 顔の麻痺の場所だけに捉われていますとなかなか改善しない のです




耳の後ろの顔面神経の出口への鍼治療



次に麻痺した顔の筋肉の「凝り」をほぐせ

第一段階で顔面神経の出口の治療をしましたら、次は顔の麻痺した部分の治療です。

麻痺は顔面神経に沿って出ますので、対象の顔の筋肉の硬結を取るのです。

顔面神経麻痺の受傷直後は腫れていたりしますので軽い刺激しかできませんが、長期間麻痺している患者さんには強い鍼刺激が必要となってくるのです。

鍼治療は患者さんに合わせた治療 顔面神経麻痺はその症状の度合い、初期なのか?慢性化しているのか?で使用する鍼が大きく変わってくるのです。

私が常日頃言っているように適度な刺激を加えなければならないのです。

その為、 細い鍼を使用する場合もありますし、中国鍼のような太い鍼も使用する場合もある のです。

刺激の度合いは都度患者さんと話し合いながら決めていきますので安心して治療が受けられます。

顔の鍼は怖いと思うかもしれませんが、麻痺している時はほぼ感じない場合が多いです。

逆に 鍼の痛みが感じてきたら麻痺が治ってきている と思ってください。








顔面神経麻痺の治療風景です。

慢性化すると治りにくい疾患ですが、根気よく治療を続けると必ず改善していきます。